この度は、遠いところ展示に足を運んで頂き、ありがとうございます。今回の展示した作品は、私がみた夢にまつわる体験が出発点となっています。私はよく、建築の青写真のような、ホワイトバランスの狂った写真のような、青味がかった夢をみます。稀に、忘れる事の出来ない夢をみると、文章や絵で記録を残します。時間がたって理性が入り込むと、夢はみるみる意味を持ってしまうので、ベッドの中で、寝ぼけ眼でペンを走らせます。 今年の5月に福島を旅していたとき、湖のほとりにたつと、ふとその夢の事を思い出しました。そのうち、この湖に嵐がやってくるような、いつか見た事があるような、青い塔がうっすらと目に浮かびそうな気分になりました。枯木にふれ、砂の感触を足で確かめながら、その夜、湖とその周辺を写真におさめました。
夢のイメージを、写真をてがかりに、想像を加えながら、追い求める。アニメーションの制作は、半ばドローイングを描くように始まりました。そのうち、ある楽曲の事を想うようになりました。「In Dreams」。展示でラジオからながれているのは、映画「BLUE VELVET」(デヴィッド・リンチ監督)で使用されている切ない恋の夢をテーマとしたという曲です。原曲は、オールディーズの名手ロイ・オービソン。その歌詞も、映像の構成に影響を与えています。夢というごく個人的な体験に、曲のイメージが重なる事で、作品の持つ世界観がより普遍的になればと。写真・アニメーション・モノ・言葉、虚像と実像の狭間をゆらゆらと浮遊する夢の感触を少しでも、感じて頂ければ幸いです。(サギヤマ)